湯種に似ているパン作りの秘密兵器で作る【👼素朴なふっかふっかアメリカン・ディナーロール】

小麦粉と水を混ぜ合わせて、パン生地に練り込むこの手法はアメリカでも紹介されており、日本のふわふわ食パンは「shokupan」と呼ばれ、その認知度はだんだんと高くなってきています。(嬉しい〜)

焼き立てのアメリカン・ディナーロールも美味しいのですが、そのふんわり感は日が経つに連れ失われてしてまうんです。しかし、タンジョンを使うと長時間に渡り、ふわふわ感を楽しめる美味しいディナーロールを焼くことができます!

外見は湯種もタンジョンもとっても似ていますが、湯種は水分を最大限に保てることができてもそれには、限界がある……。 

両者は微妙に異なるため、日本の手法とは少し違う方法をご紹介します。

湯種法とは?

湯種法とは、鍋を使い小麦粉に熱湯を加えて糊化させ、小麦粉1に対して水1の割合で糊化させることが多いですよね。(正確な割合は様々)。

タンジョン法とは?

水の量が多く、小麦粉の4倍量使って加熱し、とろみが出るまでかき混ぜます。鍋ではなく電子レンジで作れるので便利です。

またこの澱粉ルーができたら、すぐにパン作りを開始することができるだけでなくルーは粉と混ざりやすいため、作業がスムーズに進めることができますよ。

湯種、タンジョンは誰が作ったの?

湯種法は日本発祥のようだ、と言われており、2001年、この技法を商業利用する特許が存在しています。(ヤマザキパン他、何社か特許を取得しています。)

一方、タンジョン法は2007年に台湾のシェフ、イボンヌ・チェンによって広められ、彼女のおかげで北京語の名前で知られるようになったものなんです。

湯種とタンジョン、入れ替えてもいい?

どちらも小麦粉と水を一緒に練って糊化した澱粉ルーを作る方法ですが、湯種とタンジョンを入れ替えた場合、それに応じて他の生地の小麦粉と液体の量を調整する必要があります。

そのため、どちらか一方をもう一方に置き換えるのは、NG。 
ともかくレシピ通りに作ったほうがベストですよ。

【レシピ】素朴なふっかふっかアメリカン・ディナーロール

タンジョン

  • 水              (US ½ cup ) 120g/120ml
  • 強力粉  大さじ3


生地

  • 牛乳   (US ½ cup ) 120g/120ml
  • 卵   大1個
  • 強力粉  (US 2cup)  310g
  • インスタントイースト 小さじ2杯半 * インスタントイーストとドライイーストの違いは下記を参照。
  • グラニュー糖 大さじ2
  • 塩 小さじ 1
  • 溶かし無塩バター(艶出し用)大さじ4 

【作り方】

1.
小麦粉ペースト:小さなボウルに水と小麦粉を入れ、電子レンジで加熱し、なめらかで、とろみがつくまで24~80(1200W)秒加熱する。(なめらかにならない場合は少しお湯を加えてくださいね。)

2.
ミキサーのボウルに小麦粉と牛乳を入れ混ぜ、次に卵を加えて混ぜ合わせる。

3.
小麦粉とイーストを混ぜ合わせたものを加え、捏ね用のフックを取り付け低速で粉全体が湿るまで1~2分合わせた後、15分間おく。

4.
砂糖と塩を加え、中低速で5分間混ぜる。

5.
ミキサーを回転させながら、室温に戻していたバターを約大さじ1杯ずつ加え、さらに中低速で5分間混ぜます。

6.
生地を薄く打ち粉をした台におき軽くこねてボールを作り、閉じ目を下にして軽くオイルをスプレーまたは薄くバターやオイルを塗ったボウルに移しラップをかけ、2倍になるまで約1時間寝かせる。

7. 
生地を台に移ししっかりと押して空気を抜き、生地の短辺を手前にして、約20㎝x23cmの長方形に生地を伸ばした後、縦に4等分、横に3等分する。

8. 
直径23cmの丸いケーキ型に薄くオイルスプレーをかけるかバターまたはオイルを薄く塗っておく。

9. 
1枚ずつ約20cm×5cmの帯状になるように生地をやさしく伸ばし押し、生地を丸めて筒状にし、きちんと生地をあわせる。

この成形は生地を平らにし、らせん状に丸めることで、グルテンの繊維がコイル状になり、羽毛のようなシート状に焼き上げることができます。

10.
綴じ目を下にして型に並べ、ラップをかけ約2時間、2倍になるまで寝かる。

11.
190℃(375℉)に予熱をしておいたオーブンできつね色になるまで25~30分焼く。(ラックは低い位置に合わせるようにします。)

12.
焼きあがったらワイヤーラックの上で3分間冷ました後、型を逆さにしてロールをとりロールの上面と側面に溶かしバターを塗る。(20分以上冷ましてから食べるようにしますが、焼き上がりももちろんOKです。)

ドライイースト vs. インスタント ドライ イーストの違い

ドライイースト:

  • 水分量は8%
  • 一般的には38度~40度のお湯を使い、予備発酵してから使います。
  • このドライイーストはハード系のパンに向いています。
  • 開封後はしっかりと閉じ、常温保存でOK。

インスタントドライイースト

  • 水分量は4%
  • 予備発酵の必要がない乾燥している酵母。パン作りに適した菌を人工的に培養し、熱処理をして顆粒状にしたもので、直接生地に加えます。
  • インスタントドライイーストは、乾燥している酵母の膨らむ力が強く、ふわふわでやわらか~く仕上がりますよ。


お互いを置き換える時の注意点

ドライイーストからインスタントドライイーストに置き換える場合

イーストの発酵力が強くなるため、イーストの量を減らす必要があるため、ドライイーストのレシピに対し0.7の比率になるように置き換えましょう。

ドライイーストが7.5gのレシピの場合:
7.5g × 0.7g = 5.25gのインスタント・ドライイーストに置き換えます。


インスタント・ドライイーストからドライイーストに置き換える場合:

イーストの発酵力が弱くなるため、多くイーストを使用する必要があるため、インスタント・ドライイーストの分量を0.7で割ります。

インスタント・ドライイーストが5.25gの場合

5.25g ÷ 0.7= 7.5gのドライイーストに置き換えます。

成功するパン作りのコツ

このレシピを美味しくふわふわに仕上げるには、タンジョンの他に成形も関係するんです。

作り方No.9にあるように生地を平らにし、らせん状に丸めることでグルテンの繊維がコイル状になり、羽毛のようなシート状に焼き上がります。

ローフパン型でもふわふわのパンが焼けますのでお好きな形で作ってくださいね。