【👌サクサクっとして膨むパイ生地作り】🌈失敗に打ち勝つポイントを紹介

成功するアップルパイの生地つくり

•アップルパイを作りたいですが失敗は避けたいです。
•パイを焼いたけど、ふくらみが悪いしサクッとしない・・・。
•上手くいったり失敗したり、どうしてこうなるのかな?

初心者さんでも、パイ作りの経験がある方でも、上記のようになってしまうケースは多々あるもの。

今のままのやり方を続けると失敗の繰り返しになるかもしれないため、この記事では成功に導く生地作りのポイントを纏めました。

サックリしない、膨らまないパイ生地は、特に以下の3つのいずれか、もしくは全部が関わっているケースが多いです。

①小麦粉に含まれているタンパク質によるグルテンの生成
②材料の温度がよくない
③オーブンの扱い方がよくない

この記事を、最後まで読んで頂くことで、サクッサクッ&ふっくらの生地を焼くヒントになると思います。

答える人:佐藤かおる (アメリカ家庭料理online cooking lesson 主催者)

パイ生地を手作りするのって、結構めんどくさい、と思ったり、今まで何度も生地つくりを失敗した経験、ありです。が、やはり自分の目で材料を確かめ工程を丁寧にたどりさえすれば、美味しいパイ生地を作ることってできるんですよ。
なんでもそうですが、抑えておくべきポイントさえ理解すれば、パイ生地作りってそう難しいことではありませんので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

**本場アメリカのアップルパイを作ってみたい、興味がある、という方向けに全工程をアメリカから動画にて伝授しています。

  

サックリ、フワッとしたパイ生地、抑えておきたいポイント

パイ生地作りの材料は非常にシンプル。レシピによっても多少異なる場合もあるけれど、小麦粉、水、バター、塩、砂糖(塩と砂糖はレシピにより入っている場合とそうでない場合がある)とたったこれだけ。

とはいえ、上手にパイ生地を焼くためには、これらの材料の特徴を知り、オーブンの扱い方を理解するとよいですよ。

「めんどくさいなぁ〜」って思った、かも・・・でもね、これを理解さえすれば成功する確率は高くなるから、読んで欲しいのです。

パイ生地のサクサク食感、小麦粉の特有のタンパク質

小麦粉にはこの粉にしか含まれない “グリアジン”と“グルテニン”というタンパク質が含まれてます。そしてこのタンパク質が、誰しも聞いたことがある「グルテン」。

グルテニンには、びよ~ん、びよ~んとバネ状の弾力性、グリアジンには流動的な粘性があるんです。そして、この2つが練り合わさると、グルテンができるんです。

バネ状の弾性を持つグルテニンの間に、粘性を持つグリアジンが入り込むと「粘弾性のある生地」になり、このグルテンが多く生成されると、食感が硬く、膨らみのないパイ生地になってしまうんです。

なので、グルテンってパイ生地の大敵!

柔らかい生地を作りには、グルテン形成をしちゃだめなんですよ。

冷水はグルテン形成を抑える

パイ生地は小麦粉に水を加えて作りますよね。小麦粉って、水と合わさると小麦粉の粒子が膨らみグルテンを形成し始め、捏ねていくと段々と弾力性と粘着性がでてくるようになっているんです。

知って欲しいことは、グルテンにはその活動が活発になる”温度”がある、ということ。

余分なグルテンを作らせないために、冷水を加えると、この活発に活動する温度を避けることができます。

冷水を使って生地の温度を低めにしながら生地を作っていくと、粘り気がなくあっさりサックリとした食感に仕上がる確率、高くなりますよ。

膨らみのある生地にするには

生地を膨らすには、パイ生地に使う材料の温度を上げないことが大切。

厳密にいうと、冷水を使うだけではなく生地作り工程中は、生地自体の温度を上げない工夫が必要なんです。

パイ生地に使う材料はレシピもしくはお好みにより多少違っても、基本はバター・水・塩・砂糖と元となるものは3~4種類のみ。

これらの材料をしっかりと冷やし生地作りの温度を上昇させないようにするとサックリふわっとの生地になる確率が高まります。

また、冷水を使うのは、生地自体の温度上昇を防ぐための必須アイテム。水を冷やす vs. 冷やさない、この違いだけでも生地に違いがでるため、冷たい水よりも、氷を入れて数分置いた冷水を使うとよいですよ。

それから、水分はその量が多いと、焼いたときに生地が縮むので、冷水とはいえ加え過ぎには要注意を。

加えた水の動きを知る

冷水を加えた生地には大小の粒状バターがぺったんと薄くなって生地の中に納まっています。

その生地をオーブンに入れると、どうなるかというと・・・

生地はオーブンの高温で加熱される。

  
生地に徐々に熱が加わると、パイ生地に含む水分が気体に変化し始める。

  
水分は、水蒸気となって体積が大きく増す→嵩(かさ)が増す。
(水は水蒸気に変化すると、なんと約1700倍にも嵩張ります。

  
水分が気体に変化すると生地の大部分の範囲を占めるようになり、生地が膨らむ。

このように、水蒸気って、実は大切な動きをしてくれているんです。

生地は必要以上にいじらない

生地に手を加え過ぎないことも重要なポイント。余計なことをしてグルテンを形成させてはなりませぬ。

いくら冷水を入れたからといって小麦粉を練ったり、捏ねてはNG

また、膨みと層がある生地を焼くためには、せっかく形成されてた層が潰れないように生地の押さえ過ぎにも配慮が必要。

特に、パイ皿の周りににパイ生地を敷いた時、ついつい生地を抑えてしまうとその部分の層がつぶれ、膨らみが少なくなるので、注意してね。

バターと水の関係を知る

バターの中は、目でみて分からないものの、実は小さな水滴がたくさん含まれているんです。これらの水滴って、実はサクサク生地には極めて重要なモトなんです。

バターは生地を焼いている最中に油脂が溶け生地に染み込み、バターの水滴が蒸気に変わり生地を膨らませてくれます。

また、 生地の中に閉じ込められた油脂は、空気が入る小さなエアポケットを形成しサックリふんわり感も出してくれるんです。

そのため、バターが小麦粉に溶けだすような扱いをすると、 小麦粉の隙間を潰してしまい、膨らみが小さい、または、膨らまないパイ生地になっちゃう。

また冷えていない水を使うと、バターの小さな断片が保持されず、小麦粉に溶けてしまい小麦粉の細かい粒の隙間を埋めてしまうので、この点もご注意を。

パイ生地は冷やす

パイ生地が熱されると生地の間に隙間ができ、それが層となっていくんです。これは生地に織り込んだバターの水蒸気によるものなので、焼く直前まで生地を冷やしておくことがとっても大切。

また、バターと生地の温度が均一でないと、伸ばしにくいだけでなく一部が薄くなったり破れたりしてしまい層にかたよりが出てしまうんです。

生地が破けてしまった部分には、層は作られないので、要注意を。

オーブンと生地の温度に要注意

予熱をしないでパイ皿をオーブンに入れると、温度が上がりきる前に生地内にあるバターが溶けちゃいます。

パイ生地が温かくなる、


油脂が生地に溶けてしまう、


生地がだれてしまう、


膨らまないし層もできない生地となる、となりサクサクっとした食感のパイ生地にはなりません。

また、レシピの「焼き時間」とは、「指定された温度から焼き始める時間」になっていることからオーブン温度は、レシピ通りに設定しておくことが大切。

が、オーブンが十分に予熱されていても、オーブンに入れる前の生地の温度が上がり油脂が溶け込み、だれてしまった場合はいくら適温のオーブンで生地を加熱しても、層自体がすでに潰れているため空間形成はムリ。

このような生地に膨らみや、サックリ感は期待できないため、美しい層のを作ってくれる油脂を残しておくことのは必須事項です。

余熱をしないでパイ皿をオーブンに入れると、 温度が上がりきる前に生地内にあるバターが溶けてしまいます。そうるすと、サクサクっとした食感のパイ生地にはならないんです。

オーブンで焼くときに気を付けたいこと

パイ生地の油脂が層となるよう、生地とオーブンとの間には十分な温度差をつけなければなりません。そのためには生地をオーブンに入れる直前まで冷蔵庫もしくは冷凍庫にいれておきます。

また、オーブンはメーカーにより仕様が異なるため、お使いのオーブンが温まるまでの時間を把握しておき、生地のフィリングを詰め終わる頃に、オーブン適温になっているようONにするタイミングを逆算しておくとよいです。

パイの形をよくするには

パイ生地は220℃(400℉)から220℃(425℉)の高温で15分ほど焼くと、パイ生地の形が整いやすくなります。

そして15分後に、レシピに記載されている温度に下げ、焼き上がりを待つ、というやり方もあります。

焼いている間に注視する箇所とは

生地の縁をこまめにチェックします。パイは全体的にきれいに焼けても、縁が茶色くなり過ぎるケース、多々ありです。このような時は、最初にアルミホイルでパイの縁をそっと覆い、パイ生地の表面がきつね色になったところでアルミホイルを外すことで、縁の焼け過ぎを防ぐことが可能。

但し、アルミを被せる時は、生地がつぶれてしまわないよう縁の生地を押さえつけたりしないように注意し、被せる時はトップ生地の下側の生地の膨らみを確認してから、被せるようにします。

これは、下の生地が膨らんでいない状態でアルミホイルを被せると、層がつぶされて膨らみのない生地になるからです。

また、アルミホイルは、中央ににくぼみをつけて、パイ皿にそっと置くように被せましょう。

オーブン内の温度を下げないよう扉の開け閉めを避ける

パイ皿をオーブンに入れる時、扉を開けている時間が少しでもあると、オーブン内の温度がぐっと下がってしまうためオーブンの扉を開けたら、パパッーとパイ皿を入れましょう。

特に冬場は特にオーブン内の温度が下がりやすい場合は、一旦適温よりも少し温度を上げ、パイ皿を入れてから適温に調整するのも手ですよ。

オーブンのクセを抑えておく

適温になるのは、種類により時間を要するものもありますし、レシピ通りオーブンを設定しても、思った通りにならない場合もありますよね。

これはオーブンの仕様が違うため多少の誤差がでてしまうのは当たり前。そのためお使いのオーブンのクセは予め把握しておくようにしましょう。

まとめ

1.グルテンの生成を防ぐため、材料は冷やし、生地の扱い過ぎには注意すること。
2.生地は常に冷えた状態にしておくこと。
3.オーブンの余熱は十分にし、適温になってからオーブンにパイ皿を入れること。

この3つはサックリふわっとした生地を作る最低条件なため覚えておくと便利です。

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