亜麻仁(アマニ)オイル、体によいワケ8項目さっと読んだら使ってみたくなるかも

フラックスシード

亜麻仁(アマニ・flaxseed)

カラダによい食材はもちろんとりいれたい。 「フラックスシードのオイル」「亜麻仁」ってよく聞くけど、

どんな風な味なの? 
これってオイルでしょう、太らないの? 
ホントにカラダにいいの? 
フラックスシードの使い方は

等などの疑問にお答えします。

記事の信頼性 著者の経験


 
フラックスシードオイル

  
クッキーもヨーグルトも朝食だけでなく、小腹なすいた時のおやつにもなります。

これって、罪悪感のないおやつです。

製パン業界では、穀物入りパンの素材として、あるいは特殊なパンやベーグル、マフィン用に採用しています。

そのためマフィン、パンを作る時も加えてます。

ワンちゃん用おやつにもフラックスシードオイルを加えます。14歳の我が家の老犬が長生きするのもフラックスシードのおかげかもしれません。

ふーん、でもカロリーってどのくらい、と気にするかも。

カロリー、低くはないです。

が、カロリーは気にしなくともいい、ということにこれ読んでいくと分かります。
その理解のため栄養成分をまとめました。

フラックスシードの栄養成

フラックスシード100g:534カロリー
スプーン1杯(10 g)の種:約55カロリー

カロリーは高い、といえば高いですが、気にする必要ないのです。

まずそんないっぺんにフラックスシードはとれませんし、カロリーが高くともカラダに必要な栄養素がガッチリ詰まっているため栄養素に焦点を充てたほうがよし

栄養成分内訳

構成脂質―42%
炭水化物―29%
タンパク質―18%


• 水分:7%
• 脂質:4.3g
• タンパク質:1.9g
• 炭水化物:3g
• 食物繊維:2.8g
• 糖分:0.2g


ちょっと具体的にみていきますか

• 73%―オメガ6脂肪酸、オメガ3脂肪酸、αリノレン酸(ALA)といった多価不飽和脂肪酸
オメガ3脂肪酸(血小板の働き、炎症、血圧といった様々な面で心臓の健康に効果が期待されている栄養素

• 27%一価不飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸

フラックスシードには魚の脂ほど豊富なオメガ3脂肪酸は含まれていません。が、

豊富なオメガ3脂肪酸を含んでいる食材です。

このフラックスシードにはオメガ3脂肪酸、リグナン、食物繊維が含まれているため心臓、血圧の健康に効果があると考えられています。

また、人間の体内では作り出す事ができないものに脂肪酸、というのがあります。
これはALAという脂肪酸。

自分たちの体内では作れないので、食べ物からALAを摂る必要があります。

このフラックスシードはALAを最も豊富に含んでいる食べ物の一つ。

フラックスシードよりもALAが豊富なのはチアシードだけ、です。

さらにオメガ3脂肪酸とαリノレン酸(ALA)は、動脈の炎症を鎮めます。

結果

心臓疾患のリスクを下げる、ことが動物研究で明らかになっています。また、

ALAをたくさん摂取していた人は、ALAの摂取量が少ない人に比べて、突然死のリスクが73%低くなり、心臓疾患のある人に1日当たり2.9gのALAを1年間摂取したところ、心臓発作による死亡率が著しく低くなった。

という結果もあります。

フラックスシードオイルはALAの含有量が最も多く、粉状にしたフラックスシードが次に続きます。

とはいっても、オイルは繊維状の種の中に閉じ込められているため、種を丸ごと食べるでもALAを摂取しても効率はありません。

そのため、すでにオイルになっている製品を使うのがよいです。

フラックスシードの18%はタンパク質で、フラックスシードや大豆は不完全タンパク質とされています。

理由、

フラックスシードのアミノ酸の特性は大豆と似いて、フラックスシードには必須アミノ酸は含まれているけれどアミノ酸リシンは含まれていないため。

世は、フラックスシードには、

心臓や神経系が健康であるために大切なアミノ酸アルギニンやグルタミンが豊富に含まれてる

ということです。

 

炭水化物

フラックスシードの29%は炭水化物。そしてそのうち95%は食物繊維。

そのため、

消化可能な炭水化物の量は少なく、ローカーボ(低炭水化物)な食材です。

ローカーボ食とはダイエットのために生まれたものではなく、治療の1つとして生まれた食事治療法。

ローカーボ食はつぎのような効果が期待されている。

  • 食後が血糖値があがらないなため糖尿病を食事で治療できる。
  • 体重が減る
  • 中性脂肪を下げられる
  • 善玉が少し上昇する

食物繊維

 

健康に必須なビタミン、ミネラル摂取に適している


現在、13種類のビタミンが確認されており、
フレックスシードはチアミン(ビタミンB1)、銅、 モリブデン、マグネシウム、リンを含んでいます。


• チアミン
ビタミンB1としても知られるビタミンBです。代謝と神経機能が正常に働くために必要 • 銅。成長、発達や様々な身体機能のために必要な必須ミネラル。

• モリブデン
フラックスシードに豊富に含まれる。この必須微量ミネラルは種や穀物や野菜に豊富に含まれる。

• マグネシウム
体の様々な機能に重要な役割を果たすミネラル。穀物、種、ナッツ、葉物野菜に豊富に含まれる。

• リン
タンパク質が豊富な食材に含まれていることが多く、骨を健康にし細胞を維持する働きを持つ。

体に良い植物性化合物を含む食材

フラックスシードは、p-クマル酸、フェルラ酸、シアン配糖体、フィトステロール、リグナンなどの植物性化合物を豊富に含んでいます。

特にフィトステロールとリグナンは、体に良い効果をもたらす要因と関連されています。

• p-クマル酸
このポリフェノールは、フラックスシードに含まれる主要な抗酸化物質のひとつ。

• フェルラ酸
抗酸化物質で、いくつかの慢性疾患を予防する働きがある。

• シアン配糖体
体内のチオシアン塩酸という化合物を構成する物質で、甲状腺機能が損なわれる要因となることがある。

• フィトステロール 
植物の細胞膜に含まれ、コレステロールに関連しており、コレステロール値を下げる効果がある。

• リグナン。
ほぼ全ての植物に含まれ、抗酸化物質としての働きやフィトエストロゲンとしての働きをする。フラックスシードは特にリグナンを豊富に含み、他の食べ物の800倍近くある。

糖尿病予防

フラックスシードは下痢や便秘を解消し、消化管の調子を改善してくれる効果が期待されています。

全ての研究で、フラックスシードが血中のグルコースやインスリンの値に効果を示すような結果が出たわけではありません。

しかし、

Ⅱ型糖尿病(にがたとうにょうびょう)の人を対象にした研究では、1日当たり10-20gのフラックスシードを1-2か月間摂取すると、空腹時血糖が最大19.7%下がる可能性があることが分かりました。

Ⅱ型糖尿病は最も多いタイプの糖尿病で、一般的に"糖尿病"と表現した場合、Ⅱ型糖尿病を示す事が多いです。

遺伝的素因によるインスリン分泌能の低下に、環境的素因としての生活習慣の悪化に伴うインスリン抵抗性が加わり、インスリンの相対的不足に陥った場合に発症する糖尿病です。 

Ⅱ型糖尿病とフラックスシードの関連性は未だ明らかではないものの、Ⅱ型糖尿病を患っているようであれば、食事にフラックスシードを加えるのは安全で健康のためにもなると言えるでしょう。

血中コレステロールが減る

フラックスシードはコレステロール値を下げる効果があります。

これはフラックスシードに豊富に含まれている食物繊維とリグナンによるものだと考えられています。

食物繊維やリグナンは、コレステロールの多い胆汁酸と結合して消化管へ運んでくれるため、体内のコレステロール値が下がる、という仕組みです。

血中コレステロールが高いことが心臓疾患のリスク要因であることは知られていますが、特に酸化したLDL(悪玉)コレステロールが多いとリスク要因になります。

人間を対象とした研究によると、フラックスシードあるいはフラックスシードオイルを毎日摂取すると、コレステロール値が6-11%下がる、とされています。

LDL(悪玉)コレステロールの数もこのような研究から9-18%減ると言われています。

このような研究結果は動物での研究でも裏付けられており、フレックスシードには、コレステロール値と血中脂質の消費を改善する可能性を秘めていることが明らかになっています。

減量に役立つ

フラックスシードは水溶性食物繊維を含み、空腹と食欲を抑えることで減量につながる効果が期待できる食材です。

フラックスシードには、水と混ざると粘性が増す水溶性食物繊維が含まれています。 この食物繊維は空腹や食欲を抑える効果があることが明らかになっており、減量につながる可能性を秘めています。

といいますのも、フラックスシードは太りすぎな人や肥満の人の減量に役立つという結論が出ており食事にフラックスシードを加えた人たちは、フラックスシードを食べていない対照グループの人と比べると、平均で2.2(1kg)体重が減り、12週間以上フレックスシードを1日30g以上を食べた人たちには減量の効果がより顕著にみられました。

ガン形成を抑える

験室での研究および動物対象の研究結果により明確になったことがあります。

それは、フラックスシードは、

結腸癌、乳癌、皮膚癌、肺癌といったいくつかの種類の癌の形成を抑える効果が期待できることなのです。

ガンのリスクが高まる原因に、血中の性ホルモン増加があります。

フラックスシードは太り過ぎの女性の血清中の女性ホルモンの値を穏やかに下げてくれ、乳癌のリスクを下げることに繋がる可能性があるようです。

またフラックスシードは子宮癌を予防する効果もあることが分かっています。

下痢・便秘に効果あり

フラックスシードは下痢も便秘も予防する効果はあることが、複数の研究を通して明らかになっています。

フラックスシードの植物粘液は水と混ぜると非常に粘性が高くなります。

これが不溶性食物繊維と合わさることで、

フラックスシードは天然の下剤となるわけです。

この不溶性食物繊維は

消化管内の排泄物のかさを増し、下剤のような働きをして便秘を改善します。

水溶性食物繊維も消化管内へ水分を集める働きをすると考えられています。
この働きにより排泄物を膨らませてかさを増し、便秘を防ぎます。

注意点

  • フラックスシードには元々、シアン配糖体という植物性化合物が含まれている。この物質は体内で硫黄化合物と結合しチオシアン塩酸を形成する。チオシアン塩酸の量が過剰になると甲状腺の機能を損ねう恐れがある。
  • どれくらいの量までなら摂取しても安全なのかは定められていない。ある研究では、1日当たりスプーン5杯であれば、ほとんどの健康な人にとって安全で効果的であろうという結論が出ている。
  • オメガ3脂肪酸を大量に摂取すると、血液を薄める働きが出ることがる。
  • 食物繊維をたくさん摂ることに慣れていない場合、急にフラックスシードを食べると、膨満感、ガス、痛み、吐き気といった消化に軽度の不調が表れることがある。そのため、 始めは少量から摂り、1日あたりスプーン1-2杯(10-20 g)までと少しずつ増やしていく。
  • フラックスシードは天然の下剤でもあるため、食事にフラックスシードを加えると腸の動きが活発になることもる。
  • 乾燥したフラックスシードにはたいていの場合耐性があるので、アレルギーが起きることは稀です。とはいえ、フラックスシードを食べるときは水を多めに飲むようにする。
  • フラックスシードの一種で黄色のSolinというものは、普通のフラックスシードほど栄養豊富はない。Solinのの特性は全く異なり、オメガ3脂肪酸の含有量も少な目。

 

 

 

人類が初めて栽培した植物

亜麻仁(アマニ)と日本語名称がついているこのフラックスシードは茎からはリネンの布地が作られ、種子は食用として古代から愛用されています。

近年では健康増進に役に立つ食べ物として人気の食材ですが、やはり調べてみると

  • 必須脂肪酸であるオメガ3系α-リノレン酸やファイトケミカルがとても豊富
  • 豊富な食物繊維と蛋白質を含む
  • 現代の食に不足している栄養素をたくさん持ち合わせている

などなど

人気の理由も納得のできるものばかり。

南米、欧州およびアジアのスーパーマーケットにはフラックスシードを食べさせ育てた鶏の卵を販売するスーパーもみかけます。

動物の健康とその維持の為に、各種の家畜や養鶏、ペットの餌にフラックスシードは加えられるようになり、これからもこの食材は様々なものに利用されていくことでしょう。

フラックスシード、クッキングやベーキングには幅広く使う価値はありそうです。

出典:National Library of Medicine, Canadian Science Publishing, Food Science and Technology, Studies on Ethno-Medicine、日本内分泌学会、逓信病院