パイ生地作り【 きれいな焼き色(きつね色)をつけるコツについて】

パイ生地にこんがりとした色をつけたい

  • パイ生地、美味しそうな焼き色をつけたい
  • アップルパイの生地に焼き色がなかないんです
  • こんがりとしたキツネな色を付ける方法ってありますか


最初に目を引くのは、パイの上についた美味しそうなキツネ色。やはり見た目って大切ですよね。

この記事は、美味しそうな焼き色をつけるコツについて説明しています。

人の第一印象は3秒で決まり、

〉視覚情報が55%、

〉聴覚情報が38%、
〉話の内容が7%

と、提唱されています。(メラビアンの法則)

目から入ってくる情報は、なんと90%以上! 

いかに見ためが大切なことか。そして、これはパイに対しても同じことが言えます。

見た目がよい生地作りをしたい場合は、

黄身、白身、生クリーム、牛乳、などを利用して記事に塗ると効果的。

手作りのパイを焼くときは、たべたーい気持ちをそそるコンガリキツネ色を忘れずにつける、これって、とっても大切なこと。

この記事を最後まで読んでみると、メラニード反応、すなわちどのようにしてきつね色を発生させるか、についての知識を得ることができます。

 

答える人:佐藤かおる はじめまして、私は本当のアップルパイの
作り方をアップルパイの本場、アメリカからオンラインクラスにて
伝授しています。パイ生地には、コンガリとしたキツネ色を
つけるよう、牛乳など塗ることがあります。

 

メイラード反応は、こんがりとした美しい焼き色と、香りを形成するもの

食べたい気持ちをそそる綺麗なきつね色。

これは食材に含まれるアミノ酸と糖が加熱されると結びつき、化学反応を起こします。そして褐色物質である「メラノジン」を生成するからできるんです。

 

ん? アミノ酸とはなんぞや?

アミノ酸とは、タンパク質を構成している一部です。

このタンパク質が分解されると、ペプチドになり、
このペプチドが分解されると、アミノ酸になります。

アミノ酸とは、タンパク質を構成している最小単位のものであり、
このアミノ酸がたくさん集まってできたものが「タンパク質」なんです。


そしてこのメイラード反応は、タンパク質を多く含んだものに発生します。


例えば、ケーキ。

タンパク質を豊富に含む卵や牛乳と、砂糖、小麦粉などを混ぜて高温で加熱すると、元々は白い生地がキツネ色に焼き上がる、わけです。


その他の例としては、

  • サクサクとした褐色のクロワッサン
  • 香ばしパンの表面
  • こんがりと揚がったトンカツ
  • さっくさくのコロッケ
  • せんべいの焼き色
  • 程よく焦げ目の付いた焼き魚

などで、コーヒーやチョコレートの色にも、この反応が起きています。

 

メイラード反応は香ばしい香りももたらしてくれる

香ばしさは、料理の美味しさだけではなく、味にも大きな影響を与えますよね。

ちょっとここで、メイラード反応がないこんな食べ物を、想像してみてください。

  • 焼き色のないパイ生地
  • 焼き色のないクロワッサン
  • 焦げ目がついていない餃子
  • キツネ色がついていないパンケーキ
  • 焼き色なしのステーキや焼き魚
  • こんがり色がないフライドポテト

どうですか?

食べたいとは思えないし、おいしそうな香りも期待できそうにないですよね。

なので、「これ、オイシイッ」「おいしそう」と感じる食品には、必ずメイラード反応が起きているため、ベーキングや、クッキングをするときはこの反応を利用したほうがよいのです。

 

パイ生地にメイラード反応をさせる温度に注目

ざっくりといえば、メイラード反応がスタートし始めるのは140℃付近。

  • PH、(酸性、アルカリ性の度合い)、
  • 水分含有量、
  • 酸素アミノ酸、
  • 糖の種類

などによって異なるため、大まかにはなりますが、食品を焼く、炒める、上げる等、加熱されて140℃前後でメイラード反応がはじまります。

それまでは、この反応を起こすための準備段階なんです。

 

メーラード反応が発生する準備段階でおきていること

食品に含まれている水分を、飛ばしています。

メイラード反応をおこすために邪魔なもの、それは水分。

水の沸点の温度は100℃ですよね。

メイラード反応は140前後で発生し始めます。

が、水分が食品に含まれている間は、温度はこれ以上にならないため、反応は起きません。

そのため、メイラード反応が起こる準備段階で、食材の表面の水分を飛ばす必要があるんです。

 

温度が上昇する過程でおこる変化(大まかなですが)

  • 140℃
    バラバラになっていたアミノ酸と糖が結合し反応スタート。ここから褐色の分子、風味の分子が形成し始める。
  • 150℃
    反応が活発になる。風味は140℃の2倍になり、されに多くの香分子が生み出される。
  • 160℃
    さらに反応は活発になり風味の反応はピークになる。
  • 180℃
    焦げ始める。香は失われ苦い風味がうまれてくる。分子も苦い成分がうみだされる。

 

パイ生地にメイラード反応をおこさせるオーブンの温度とは

パイ生地を焼き始める時の温度は、生地の脂肪分が溶けて蒸気を発生させることでフレーク状の質感を得るようにする必要があります。

そのようにするためには、高温で焼き始めることが大切。

手作りパイを作る時の一般的な焼き方は、生地やフィリングの種類により違いますが、大体、このようにすると、こんがりおいしい狐色に焼きあがります。

  1. オーブンを200℃~220℃(425℉)に予熱しておく。
  2. パーチメントを敷いた天板にパイを置き、オーブンの一番下のラックにパイと天板を載せる。
  3. パイを10分~20分焼いた後、温度を170℃~180℃(350℉)に落とし、さらに中身が泡立つまで約40分~45分焼く。
    *途中、焼き上がりに生地の端が早く焼けている場合は、パイシールドやアルミホイルを被せパイ生地の焦げを防ぐ。

    *冷凍のパイシートを使う場合は200度のオーブンで10分焼き、 その後160度で約10分焼く。

美味しい焼き色がついた、パイ生地。見た目がいいと本当にとってもおいしそうな印象を与えることができますよ。

 

何を塗るかで見た目はこんな風になる

メイラード反応をうまく利用して、見た目の印象はある程度コントロールできます。

黄身1個&小さじ1水
黄身1個分大さじ3生クリーム
黄身1個分&小さじ1牛乳&塩ひとつまみ
白身1個分
生クリーム 大さじ3

 

 

まとめ

見た目が美味しそう、オイシイと感じる料理の多くにはメイラード反応が起きています。この反応は、生地の表面を茶色(きつね色)にし、香りを強くし、食べ物が美味しくなる効果をもたらすため、パイ生地にも生成させるのは必須。

タンパク質を多く含む食品に反応が生じるため、パイ生地に卵白と生クリームを混ぜた液、または牛乳を塗る、などをするとこんがり色が出やすくなります。

メイラード反応は大切ですが、くれぐれも焦がし過ぎには注意してくださいね。

 

あとがき:メイラード雑学

メイラード反応は、過熱しなくとも起こるものもあります。

上記で簡単に説明をした、熱によるもののほか、時間をじっくりとかけて熟成期間を長くするものにも、メイラード反応がおこります。

 

加熱以外でもおきる代表的なものとは

日本酒、お味噌、お醤油で、褐色の色合いは、このメイラード反応によるものです。

また、このメイラード反応をどう起こさせるかにより色が白い、白味噌もできちゃうわけです。

 

この反応の発見者はフランス人研究者だった

こんな面白い反応、誰がみつけたか、というとフランスの研究者ルイ・カミーユ・マヤールさん。(フランス語のマヤールが日本語表記でメイラードとなった)

この方から名前をとってメイラード反応とも呼ばれるようになりました。

おいしさを作る仕組みを見つけてくれ、ありがとうございます、メイラードさん。

 
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