【アメリカンアップルパイ】の秘密:パイ生地にウォッカを入れると驚きの効果が!
生地をよりシットリさせ作業もし易くさせるウォッカ
パイ作りの成功のカギは、何といっても「サクサクでしっとりとした生地」。でも、あなたはいつもパイ生地作りがうまくいっていますか? 過去に作ったことがあっても、一度はパイ作りで生地の硬さや乾燥に悩んだことってありませんか?
この問題を解決してくれるのに知っておきたいアイテムとは、「ウォッカ」なんです。アルコール飲料として知られるウォッカには、実は生地作りに最適な特性が詰まっています。ここでは、ウォッカがどのようにして生地をしっとりと仕上げるのか、その秘密を詳しくご紹介します。
ウォッカに含まれる「エタノール」とは?
ウォッカには「エタノール」と呼ばれる成分が含まれています。このエタノールは、化学的には「エチルアルコール」とも呼ばれ、私たちが飲むお酒の成分としてお馴染みのもの。このエタノールは無色で揮発性が高く、特有の芳香を持つ液体なんですよ。
そしてエタノールは、化学合成と発酵と2つの方法で製造されます。
化学合成から得られるエタノール
エチレンという化学物質を水と反応させることで作られます。これは工業的な生産方法で、消毒液や溶剤としても使用される高純度のエタノールを生み出します。
発酵から得られるエタノール
デンプンや糖蜜を酵母などの微生物で発酵させて得られ、ビールやワインと同様のプロセスで製造されます。デンプンや糖蜜を酵母などの微生物で発酵させる方法や、エチレンという化学物質を水と反応させる化学合成の方法で製造されます。
実は、エタノールって強い消毒効果もあり、ウイルスや細菌を殺菌する能力を持っているんですよね。それに揮発性が高いため、清掃や消毒用途においても非常に便利。おまけに、水にも油にもよく溶けるため、消毒液や燃料、溶剤としても広く使用されています。
ウォッカのアルコール度数は 高い vs. 低い どっちかな?
アルコール度数は平均40度と非常に高めで、日本で一般的なビールのアルコール度数が5度程度であるのに対し、なんとビールの約8倍。これだけの濃度を誇れるウォッカは、なるほどエタノールの代用品になれるのも納得です。
どんなにアルコール度が高くとも、焼いている間にアルコールは空気中に蒸発ししてしまうめ生地にアルコールの風味がない生地に仕上がりますのでご心配なく。
ウォッカを使うとパイ生地がサクサク・しっとり仕上がる3つのメカニズムって何?
ウォッカにはアルコール成分「エタノール」が含まれていますが、どのような作用で生地を柔らかくしっとりと仕上げるのでしょうか?
1. 焼いている間にアルコールが蒸発し、生地がサクサクに
ウォッカのアルコール成分(エタノール)は、焼いている間に蒸発します。この蒸発により、生地には余計な湿り気が残りにくなるんです。水を使った生地の場合、焼いている間や焼き上がり後にまだ湿り気が多く残ってしまい、生地がべたついたり、重たく感じることがあります。しかしウォッカを使うと、アルコールの揮発性によって余計な水分が焼成中に飛びやすくなるため、焼き上がった後もパイ生地はサクサクと軽やかな仕上がりになります。
加熱の際にエタノールが効率よく蒸発するため、アルコールの風味は残ることはないので、ご心配なく。
2. グルテン形成を抑え、しっとりした食感をキープ
ウォッカは小麦粉に混ざっても、水と違ってグルテンがほとんどされないんです。グルテンの形成は生地に弾力や粘りを生み出すため、パン作りには欠かせないものですよね。でもパイ生地にこのグルテンは不要。なぜならパイ生地を作る時にこれが作られてしまうと、固く重たい生地になってしまうからなんです。
ウォッカを使うことでこのグルテン形成が抑えられ、結果としてサクサクで軽やかな食感の生地が実現しますよ。
3. ウォッカが生地のまとまりをサポート
ウォッカのもう一つのメリットは、水分量を抑えながら生地に必要な柔軟性を保つ点です。ウォッカは水よりも少量で生地をまとめてくれるので、過剰な水分を控えられるメリットがあります。そのため、生地のべたつきも抑えられ、扱いやすさもアップしますよ。ウォッカを加えると、パイ生地が均一に伸びやすくなり仕上がりも軽い食感が際立つパイ生地になります。
香りを気にせず使える!ウォッカのアルコールは焼いている間に蒸発
ウォッカを使うと「アルコールの香りが残るのでは?」と思っってはいませんか? これ、心配ありません。ウォッカのアルコール分は焼成中に蒸発するため、完成したパイ生地にはアルコールの風味はほとんど残りません。(ほとんどというか私は全く感じません)ウォッカ独特の香りも気になることはありませんよ。
ウォッカをパイ生地に使う時のポイント
効果的にウォッカを使うには以下に注意してくださいね。
使用量は少量で十分
少量で十分です。通常の水の半分程度を目安に加えましょう。
冷水と一緒に加える
冷たい水と一緒に加えることで生地がより締まり、サクサク感が増します。加える時は生地の状態をみながら少しずつくわえていくようにします。
まとめ:ウォッカを使ったパイ生地でワンランク上の仕上がりに!
ウォッカを使うことで、通常の水とは違った仕上がりを実現できるパイ生地作り。余計な湿り気が残らず、サクサクでしっとりとした絶妙な食感が楽しめます。また、生地の扱いやすさも向上するため、成形や焼成もスムーズになりますよ。特に、アメリカンアップルパイや果物を使ったパイには、ウォッカを使った生地がとても相性が良いので、ぜひ試してみてくださいね。