✌【パイ用のパイ皿5種類を比較してみた】使う前に知っておきたい長所と短所👀

焼きたてのパイを家庭で楽しむ――その魅力はなんとも特別です。でも、意外と見落としがちなのが「パイ皿」の重要性。実は、パイ皿の種類や素材が仕上がりに大きな影響を与えるんです!

たとえばこんな疑問を感じたことはありませんか?

  • 種類が多すぎてどれを選べばいいのかわからない!
  • パイ皿によって仕上がりが変わるの?
  • どの素材が一番扱いやすいの?

この記事では、パイ皿の「見た目」ではなく「機能」に注目して、それぞれの長所と短所を徹底比較します!

ガラス、セラミック、金属、スキレットなどの種類により、出来上がりに違いが生じます。その内でも使い勝手がよいのは金属製。

なんといっても軽くて、熱の通りも良く、お値段も安価。なるほど、古き良きアメリカの時代から使い続けている理由が分かります。とはものの、パイ作りは個々の好みに合わせて、楽しく作りたいもの。なので自分好みのパイ皿を選んだほうがいいですよね。

この記事を通してそれぞれの特徴を理解し、お好みのパイ皿を見つける参考になれば嬉しいです。

この記事を書いている人 🇺🇸アメリカケンタッキー在住の料理インストラクター 佐藤かおる

アメリカからオンライン料理教室を開催しており、「アメリカンアップルパイが焼けるレッスン」は人気の動画料理教室です。ベーキング道具は、一度購入すれば半永久的に使えるものも多いため、じっくり選ぶことが大切。
種類はいくつかあるため長所と短所を理解したうえで、あなたにあったパイ皿を選んでくださいね。

 

金属製パイ皿の特徴と選び方

 ⭕金属製パイ皿のメリット

1. 熱伝導が良い
金属製のパイ皿、特にアルミやスチール製は、熱伝導が非常に良いため、パイ生地が均等に温まります。

2. 軽量で使いやすい:
金属製パイ皿は軽くて持ち運びが簡単。オーブンに出し入れしやすく、取り扱いが便利です。

3.耐久性が高い:
金属製のパイ皿は丈夫で長持ちします。お手入れをきちんとすれば、何年も使用できるため、コストパフォーマンスが高いといえます。特に、家庭用のベーキ
ングにおいては、長期間使える信頼の道具。

4.ブラインドベーキングに敵している
金属製のパイ皿は、熱を素早く均一に伝えるため、ブラインドベーキング(詰め物なしで生地を焼く方法)にも最適です。生地を均等に焼くことができるため、失敗なく美味しいパイが作れます。


金属製パイ皿のデメリット

1. 焦げ付きやすい(ノンスティック加工がない場合)
ノンスティック加工がない金属製のパイ皿は、生地が焦げ付きやすい傾向があります。そのため、特に、ノンスティック加工がないものを使う際は、生地がくっつかないようにオイルスプレーやバターを塗り、小麦粉を振っておくと良いでしょう。

2. 焼き色が早くつく
金属製のパイ皿、特に色の濃いものは、焼き色がつきやすいという特徴があります。焼き加減に気をつけないと、早く焦げてしまう可能性があります。焼き色を完璧に仕上げたい方は、焼き時間や温度を調整することをお勧めします。

📌金属製のパイ皿は、パイ作りにおいて非常に優れた選択肢ですが、焦げ付きや焼き加減に気をつける必要があります。特に、ノンスティック加工がないものを使う際は、生地がくっつかないようにオイルスプレーやバターを塗り、小麦粉を振っておくと良いでしょう。

📌金属製のパイ皿は、その優れた熱伝導性や軽さ、耐久性から、家庭用のベーキングに非常に適しています。少しの工夫で焦げ付きや焼き色の問題を解決すれば、美味しいパイが簡単に作れます。パイ皿選びに迷ったときは、金属製を試してみる価値が十分にあります。

パイ作りに便利な使い捨てアルミ皿


使い捨てアルミ皿のメリット

1. 手軽で便利
使い捨てアルミ皿は、その名の通り、一度使用したら捨てられるため、後片付けがとても簡単です。パーティーや持ち寄り料理で使用したい場合、洗う手間が省けるので非常に便利です。

2. 軽量で持ち運びが楽
アルミ製のパイ皿は軽量で、持ち運びが簡単です。特に、パーティーやアウトドアで使用する際に、運ぶのが楽で扱いやすい点が大きなメリットです。

3. 均等な熱伝導
アルミは熱伝導が良いため、パイ生地が均一に焼けます。サクサクで美味しい焼き上がりを提供できるため、オーブンでの焼き上がりにこだわる方にも向いています。

4. コストパフォーマンスが高い
使い捨てアルミ皿は比較的安価で購入できるため、予算を抑えたい方に最適です。特に、大人数でパイを作る必要がある場合には、経済的に助かります。

使い捨てアルミ皿のデメリット

1. 見栄えが良くない
使い捨てアルミ皿は、そのシンプルなデザインが味気ないことが多いです。特に、特別なイベントやプレゼント用にパイを作る際には、見栄えの面で物足りなさを感じるかもしれません。

2. 薄いため、耐久性が低い
アルミ皿は軽量ですが、その分薄くて耐久性が低いため、しっかりした硬いパイ生地を扱う際には割れたり変形したりする可能性があります。取り扱いには注意が必要です。

3. 温度差に弱い
ーブンから取り出して冷水に触れさせると変形することがあります。過度な温度差には注意し、慎重に扱うことが求められます。

4. 環境への影響
使い捨てのため、繰り返し使用することができません。環境への配慮を考えると、繰り返し使える道具を選んだ方が良いかもしれません。使い終わったら捨てるため、長期的な視点では環境負荷が高いというデメリットがあります。

📌急激な温度変化に弱く、熱いオーブンから取り出して冷水に触れさせると変形することがあります。過度な温度差には注意し、慎重に扱うことが求められます。

📌使い捨てのアルミ皿は、手軽さと便利さが魅力ですが、耐久性や見栄えには限界があります。パーティーや持ち寄り料理、イベント用に使う場合は便利ですが、プレゼント用や特別な場面での使用には向いていないかもしれません。パイのサイズや形状に合ったものを選び、温度差や取り扱いには十分注意しましょう。

 

見た目がきれいなガラス製のパイ皿

ガラス製パイ皿のメリット

1. 熱伝導が均一
ガラス製のパイ皿は熱伝導が均一であることが最大の魅力。オーブン内での熱が均等に伝わりやすいため、パイの底がしっかりと焼けます。

2. 焼いている時に確認可能
オーブンの中で焼き上がる過程を目で確認できる点が大きな利点です。この透明な皿のおかげで、パイの焼き色や底の焼き具合を視覚的にチェックすることができるため、焼き加減が非常に調整しやすいのです。

 3. 耐久性と多用途性
ガラス製のパイ皿は、適切に使用すれば非常に耐久性が高いです。長期間使用することができ、丈夫で破損しにくいのが特徴です。また、オーブンだけでなく、冷凍庫にも対応しているため、冷やしてから食べるタイプのパイやフルーツパイにも便利です。これにより、パイ作りの幅が広がり、冷凍保存しておきたい時にも活用できます。

ガラス製パイ皿のデメリット

1.重さ
ガラスは金属やアルミ製のパイ皿に比べて重いため、オーブンに出し入れする際に少し手間がかかることがあります。特に、料理の際にパイ皿を頻繁に移動させる必要がある場合、重さが負担に感じることがあるかもしれません。

2. 衝撃に弱い
落としたり、強くぶつけたりすると簡単に割れてしまうことがあります。そのため、取り扱いには慎重さが求められます。

3.熱伝導の遅さ
金属製のものに比べて焼き上がりまでの時間が長くなる傾向があります。焼き時間が少し延びることがあり、その分オーブンでの加熱時間を調整する必要があります。焼き加減に敏感な方には、この点も考慮する必要があるかもしれません。

4.パイ皿が割れる
メーカーの推奨に安全であると記載されている場合、またはパイを焼く前に完全に解凍できる場合を除き、ガラス製パイ皿で作ったパイは冷凍しないようにしましょう。

冷凍庫から出したばかりのパイを焼くと、ガラス製の皿が割れることがあります。

📌ガラス製のパイ皿は、その均一な熱伝導と美しい焼き上がりが魅力で、焼き具合を確認しながら使うことができる便利なアイテム。ただし、重さや衝撃に弱い点、熱伝導の遅さがデメリットとして挙げられる点を考慮する必要があります。

セラミック製パイ皿


セラミック製パイ皿のメリット

1. 均一な加熱と熱保持力
セラミックはガラスや金属に比べてゆっくりと加熱され、熱の保持力が高いため、パイがじっくりと焼き上がります。焼き時間を調整しやすく、パイの中まで均等に熱が通ります。

2. スムーズに取り出せる
セラミック製のパイ皿は、パイをカットするときに生地がパイ皿にくっつかないため、きれいにスムーズに取り出せます。これにより、パイの美しい断面を楽しむことができます。

3. リンゴなどの食材がしっかり火が通る
セラミックのパイ皿は熱を均一に伝えるため、リンゴやフルーツにしっかりと火が通ります。これにより、余分な水分が出ることを防ぎ、パイの中身が適度に詰まった仕上がりになります。

4. 美しいデザインと豊富なバリエーション
セラミック製パイ皿は、きれいな色合いや楽しい形が特徴で、見た目にも華やかです。また、サイズや形も様々で、自分の用途や好みに合わせて選ぶことができます。

セラミック製パイ皿のデメリット

1. 熱伝導が遅い:
セラミックは熱伝導が遅く、ガラスや金属製のパイ皿に比べて焼き上がりまでに多少時間がかかります。特に、急いで焼き上げたい場合には、予想よりも時間がかかることがあります。

2. 弾力性が損なわれることがある
一部のパン職人は、セラミック製のパイ皿を使うとパイ生地の弾力性が損なわれると感じることがあります。特に、サクサクした食感を重視する方には注意が必要です。

3. 価格が高い
セラミック製パイ皿は、ガラスや金属製のパイ皿に比べて価格が高い場合が多いです。予算を抑えたい方には、コスト面で不利に感じることもあります。

4. 冷凍庫からオーブンへの移行に注意が必要
セラミック製パイ皿は、冷凍庫からオーブンへ、さらにブロイラーの下でも使えるとされていますが、必ずしも安全とは限らないため、必ずメーカーの説明書をよく確認する必要があります。これは、急激な温度変化に弱い場合もあるため、注意が必要。パイを焼く前に完全に解凍できる場合を除き、セラミック製のパイ皿で作ったパイは冷凍しないこと!

冷凍庫から出したばかりのパイを焼くと、セラミック製の皿が割れることがあります。

5.重さがある
セラミック製のパイ皿は、ガラスや金属製に比べて重いため、持ち運びや取り扱いに少し手間がかかります。頻繁にオーブンに出し入れする場合、手に負担がかかることもあります。

 📌セラミック製パイ皿は均一な熱伝導でじっくり焼け、見た目も美しいのが特徴です。

📌パイをカットする際、生地がくっつきにくく、取り出しやすい点も便利。ただし、熱伝導が遅く、焼き上がりに時間がかかるため、急いで焼きたい場合には不向きです。また、底が見えないため焼き加減の確認が難しい点もあります。

 

キャストアイアン(鋳鉄)スキレットをパイ皿として使う


キャストアイアン・スキレットのメリット

1. 高い熱伝導率
熱が均等に分散され、パイ生地がしっかり焼け、サクッとした仕上がりになります。

2. リンゴにしっかり火が通る:
フルーツにしっかりと火が通り、余分な水分を出さずに焼き上がります。

3.冷凍庫でも使用可能
冷やして使用することで、上生地の模様をしっかりと残せます。

4. 頑丈で長持ち
鋳鉄製のため非常に重く、頑丈で高温にも耐えられます。破損や磨耗に強いです。

5. ハンドルが緩みにくい
一体型で作られているため、ハンドルが緩む心配がなく、長期間使用できます。

6. 長持ちする
適切に手入れをすれば、何年でも使い続けることができます。スキレットは奥が深いです。スキレットを正しく扱うとノンスティックフライパンのようになりますよ。

キャストアイアン・スキレットのデメリット

1. 重い
他のパイ皿に比べて非常に重く、扱いにくいことがあります。

2. 手入れが必要:
使用後に適切に手入れしないと、錆びることがあります。お手入れには時間と手間がかかります。

3. 熱くなるまで時間がかかることがある:
初めは熱伝導に時間がかかるため、予熱に時間がかかることがあります。

 📌キャストアイアン製パイ皿は、均一な熱伝導でサクッと焼き上げ、耐久性も高く長持ちします。

📌冷凍庫からオーブンにも対応し、デザインがしっかり残る点も魅力です。ただし、重さやお手入れの手間がデメリットです。

まとめ

パイ皿には様々な種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。熱伝導率が高い金属製やスキレットは、パイが均等に焼けるためおすすめです。一方、セラミック製やガラス製は見た目が美しく、デザインを楽しみたい方にぴったりですが、耐久性や熱伝導率に関しては購入前に確認することが大切です。

アメリカでは、金属製がアップルパイを焼く時に使われているパイ皿です。長年愛用されているのは、軽くて熱が通りやすく、価格も手ごろなためかもしれません。

しかし、ノンスティック加工されたパイ皿はカット時に傷がつかないように扱う必要があります。パイの種類や用途に応じて自分にぴったりの新品のパイ皿を選ぶことも大切ですが、時を経たものだからこその美しさや風格を感じることができるアンティークのパイ皿には独特の魅力があり、なかなか素敵なものがありますよ。

よくある質問

Q: ノンスティックパイ皿を傷めずに長持ちさせるにはどうすればいいでしょうか?


A:ノンスティック加工の パイ皿の場合、パイをスライスして盛り付ける際にナイフや金属製の道具を使用はNGです。金属がノンスティック加工に傷をつけ、台無しにしてしまうので注意しましょう。(この目的には、プラスチック刃のパイサーバーをオススメします。) このほか、洗う時にゴシゴシ洗ったりするのももちろんNG。傷がついたパイ皿は見た目も悪くなるので注意しましょう。

Q: パイ皿でパイを冷凍し、冷凍庫から直接焼くことはできますか?


A:はい、パイ皿が金属製であれば可能です。しかし、セラミック製皿のほとんどは、冷凍してオーブンに直接入れると割れる原因になります。 ガラス製も同じように割れる原因になることが多いため必ず説明書を確認するようにしてください。

Q: パイ皿をきれいにするやり方はありますか?


A:一部の製品は食器洗い機で洗えますが、より長持ちさせるためにはパイ皿を手洗いすることをお勧めします。パイ生地やフィリングが皿にくっついている場合は、洗浄前に皿を熱湯に 20 分間浸してから手洗いをしましう。

Q: パイ生地がガラスやセラミックのパイ皿にくっつきやすいのはなぜですか?


A:薄い金属はガラスやセラミックよりも柔軟性があるため、金属製のパイ皿はオーブンで加熱されると膨張し、パイ生地に含まれる水和タンパク質や炭水化物と金属の結合が壊れ、くっつきの原因になります。
(水和タンパク質は、パイ皿の表面にタンパク質の薄い膜が水と一緒に結びついている状態です。)

ガラスやセラミックの皿はそれほど膨張しないため、パイ生地が表面に自由にくっつき、べたつく状態になる可能性があります。

さらに、金属はガラスやセラミックよりも柔軟性があるため、パイサーバーやナイフを皿と生地の間に差し込んできれいにスライスするのが簡単です。一方ガラスやセラミックの場合は伸縮性が低いため、器具を小刻みに動かす余地が少なくなります。

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